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観測局呼出方式の電源装置計算
太陽電池電源の容量計算
１、設計条件
観測局（２量型、送信出力10Ｗ）の容量計算
１－１、システム条件
ａ． 監視局 1 局
ｂ． 観測局数 30 局
ｃ． 観測条件
ⅰ） 平常時 （ 30 分観測） 25 日 ／ 月
ⅱ） 緊急時 （ 10 分観測） 5 日 ／ 月
ⅲ） 保　守 （ 送信 8 分 、 受信 12 分 ） 1 回 ／ 月 1 局あたり 20 分間
ｄ． 負荷条件
ⅰ） 電　　圧 12.0 V
ⅱ） 待受電源（Ｉ１） 50 mA
ⅲ） 受信電源（Ｉ２） 700 mA
ⅳ） 送信電源（Ｉ３） 5.5 A （送信電力 10 W ）
ｅ． 計算条件 2 量型、 1200 bps（応答間隔 600 ms）
ｆ． 無日照補償日数 30 日間
１－２、放電時間の算出条件
　他の観測局が発射する電波が、全ての観測局で受信できるものとする。
　観測局は１回目の呼出信号受信から一連の一括呼出シーケンスが終了するまで電源が投入されるので最も電力消費が多いのは最終応答局である。つまり、受信していなくてもタイマカウント中は受信時と同じ電流を消費する。そのため、最終応答局について計算するものとする。
　なお、途中の局も他局の送信電波を受信するので、最終局との消費電力差は殆どない。
１－３、動作タイミング
　 受信時 　
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　
　 　 送信時
　 　 観測呼出受信 　 　 タイマカウント中 　 送　信
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　
　 2.45 s ( 1200 bps) 　 0.6 s × 29 局 = 17.4 s 　 515 ms 　
　 　 ( 1200 bps) 　
　 　 　 　
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　
２、送信時間の計算
送信時間（Ｔ３）
計算式 ＝ 返信信号送信時間×１ヶ月の呼出回数
ａ． 平常時＝ 0.515 秒 × 2 回 ／ 時間 × 24 時間 × 25 日
＝ 618 秒 ／ 月
ｂ． 緊急時＝ 0.515 秒 × 6 回 ／ 時間 × 24 時間 × 5 日
＝ 370.8 秒 ／ 月
ｃ． 保守時＝ 保守時間（送信） × 1 ヶ月の保守回数
＝ 8 分 × 60 秒 × 1 回 ／ 月
＝ 480 秒 ／ 月
送信時間（Ｔ３）
＝ 平常時＋緊急時＋保守時
＝ 618 秒 ／ 月 ＋ 370.8 秒 ／ 月 ＋ 480 秒 ／ 月
＝ 1468.8 秒 ／ 月
＝ 48.96 秒 ／ 日
＝ 0.014 時間 ／ 日
３、受信時間の計算
受信時間（Ｔ２）
計算式 ＝ （自局呼出時間＋他局返送時間×他局数×１ヶ月の呼出回数
ａ． 平常時＝ （ 2.45 秒 ＋ 0.6 秒 × 29 局 ） × 2 回 ／ 時間 × 24 時間 × 25 日
＝ 23820 秒 ／ 月
ｂ． 緊急時＝ （ 2.45 秒 ＋ 0.6 秒 × 29 局 ） × 6 回 ／ 時間 × 24 時間 × 5 日
＝ 14292 秒 ／ 月
ｃ． 保守時＝ 保守時間（受信） ＋ 他局保守時間 × 他局数
＝ （ 12 分 × 60 秒 ） ＋ （ 20 分 × 60 秒 × 29 局 ）
＝ 35520 秒 ／ 月
受信時間（Ｔ２）
＝ 平常時＋緊急時＋保守時
＝ 23820 秒 ／ 月 ＋ 14292 秒 ／ 月 ＋ 35520 秒 ／ 月
＝ 73632 秒 ／ 月
＝ 2454.4 秒 ／ 日
＝ 0.68 時間 ／ 日
４、待受時間の計算
受信時間（Ｔ１）
＝ 24 時間－（送信時間＋待受時間）
＝ 24 時間 － （ 0.014 時間 ＋ 0.68 時間 ）
＝ 23.306 時間 ／ 日
５、毎時平均負荷電流の計算
Ｉａ ＝ （Ｉ１×Ｔ１＋Ｉ２×Ｔ２＋Ｉ３×Ｔ３）÷２４時間
＝ （ 0.05 A × 23.306 時間 ＋ 0.7 A × 0.68 時間 ＋ 5.5 A × 0.014 時間 ）
÷ 24 時間
＝ 0.072 A
６、毎時平均負荷電力の計算
ＰＬ ＝ 0.072 A × 12.0 V
＝ 0.864 W
７、太陽電池出力（Ｐｓ）
仕様 ： JIS-C890:2005
Ｐｓ ＝ ＥL／（（ＨA／Ｇｓ））×Ｋ’×ＫPT）
ここで、係数と推奨値は以下の値である。
ＥL ： １日の電力需要量 ＝ ＰＬ × 24 時間
ＨA ： 日射強度（月平均日射量） NEDOの日射量データベースより ＝ 1.06 （ 稚内 ）
Ｇs ： 標準状態における日射強度 ＝ 1
Ｋ’ ： 基本設計係数 ＝ 0.619
　日射量年変動補正係数、経時変化補正係数、アレイ負荷整合補正係数、アレイ回路補正係数、蓄電池寄与率、蓄電池充放電効率及びコンバータ実行効率から求められる。
ＫPT ： 温度補正係数 ＝ 0.97
　地局予定地点の平均気温から求められるが、推奨値として、平均気温15.5℃の時の値が採用される。
Ｐｓ ＝ ＰＬ×24 ／（ＨA×0.60）
＝ 0.864 W × 24 ／ （ 1.06 × 0.60 ）
＝ 32.6 W
≒ 33 W 以上（必要太陽電池容量）
８、蓄電池の容量の計算
蓄電池容量（Ｃ） ＝ 毎時平均負荷電流（Ｉａ）×最大無日照時間
容量補正係数
＝ 0.072 A ／ 時間 × 24 時間 × 30 日 　
0.8
＝ 64.8 Ah
※容量補正係数
　蓄電池の経年変化、太陽電池からの充電効率などを考慮し、長期間経過後における容量低下分を見込む量
したがって、 64.8 Ah以上の蓄電池が必要である。
これを市販のＭＳＥ鉛蓄電池から選定すると、 100 Ahとなる。
ＭＳＥ型鉛蓄電池の容量
電池工業会形式 容　　　量
ＭＳＥ５０－１２ 　 　 50 Ah 　 　 　
ＭＳＥ１００－６ 　 　 100 Ah 　 　 　
ＭＳＥ１５０ 　 　 150 Ah 　 　 　
ＭＳＥ２００ 　 　 200 Ah 　 　 　
ＭＳＥ３００ 　 　 300 Ah