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鉄 骨
材 料
No. 9 チェック チェック内容 使用鋼材の種別の確認を行ったか
詳細説明 備考・記録
 建築物の主要構造物に使用する鋼材は、日本工業規格に適合するものでなければならない。建築に用いられる主な規格品を以下に記す。  
 1) 一般構造用圧延鋼材 JIS G 3101
   鋼材記号をSSで示すもので、橋梁・船舶・車両そのほかの構造物に用いる。一般構造用の熱間圧延鋼材を想定している。鋼材の種類と記号は一般構造用圧延鋼材の種類および記号(JIS G 3101-2004)、その化学成分は一般構造用圧延鋼材の化学成分(JIS G 3101)、機械的性質は一般構造用圧延鋼材の機械的性質(JIS G 3101)による。曲げ試験では試験片の外側にひび割れを生じてはならない。
 SS 400 は、化学成分の規定はPとSだけでほかは制限がない。溶接する場合は板厚が厚くなるほど溶接性が低下する傾向にあるので、溶接条件を検討し、注意深い溶接施工が必要となる。
 
 
 
 
 
 
 
 2) 溶接構造用圧延鋼材 JIS G 3106
   鋼材記号をSMで示すもので、橋梁・船舶・車両・石油貯蔵、そのほかの構造物に用いるとき、溶接性の優れた熱間圧延鋼材について規定している。
 鋼材の種類と記号は溶接構造物圧延鋼材の種類および記号(JIS G 3106-2004),その化学成分は溶接構造用圧延鋼材の化学成分(JIS G 3106),機械的性質は溶接構造用圧延鋼材の機械的性質(JIS G 3106)による。化学成分の規定がC,Si,Mn,P,Sについて行われ、SS材より溶接性を向上させている。またSM材は、A,B,Cの3種類があり、A,B,Cの順に衝撃性が向上し、じん性に富む鋼材となる。
 SM 490は建築物で使用する高張力鋼の基本で広く活用されている。通常はSM 490 Aを使用するが、板厚が40mmを超えると、じん性を考慮しSM 490 Bとすることが多い。
 SM 520,SM 570は、引張り強度を上げるため、化学成分の変化や熱処理が施されているので、溶接に際して、試験を行うなど慎重な施工を要する。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 3) 建築構造用圧延鋼材 JIS G 3106
   鋼材記号をSNで示し、建築構造物に用いる熱間圧延鋼材について規定している。
 鋼材の種類と記号は建築構造用圧延鋼材の種類と記号(JIS G 3106-2005),その化学成分は建築構造用圧延鋼材の化学成分(JIS G 3136),機械的性質は建築構造用圧延鋼材の降伏点または耐力,引張強さ,降伏比および伸び(JIS G 3136)による。
 当規格は平成6年(1994年)6月1日に規定され、同9月2日建設省告示に追加して位置付けられた。
 SN材は、従来のSS材,SM材に比べてP,Sの上限値を細分化して低めに設定した。まだCep(炭素当量)の上限値を定め、計算に用いる微量元素をミルシートへ表示することとなった。
 さらに、機械的性質は鋼種区分(A,B,C材)や板厚に応じて細かい規定が設けられた。
 降伏点,引張り強さの上限値,降伏比の上限値は建築構造用圧延鋼材の降伏点または耐力,引張強さ,降伏比および伸び(JIS G 3136),シャルピー値は建築構造用圧延鋼材のシャルピー吸収エネルギー(JIS G 3106),板厚方向絞り値の下限は建築構造用圧延鋼材の厚さ方向特性(JIS G  3136)に示す。
 このSN材は、JIS規格制定後、平成7年(1995年)3月、JIS表示許可工場が認可された。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 4) 一般構造物用炭素鋼鋼管 JIS G 3444
   鋼材記号をSTKで示し、土木・建築・鉄塔・足場・杭・支柱その他の構造物に使用する炭素鋼鋼管について規定する。
 管の製造方法は、鋼塊から継目なしで製造するか、または、帯鋼もしくは鋼板から電気抵抗溶接・鍛接・アーク溶接によって製造する。原則として熱処理を施さず、製造のままとする。管の表面仕上げは、特に要求があれば、発注者と製造業者との協定による。
 鋼材の化学成分は一般構造用炭素鋼管の化学成分(JIS G 3444-2006),機械的性質は一般構造用炭素鋼鋼管の機械的性質(JIS G 3444)による。ただし、曲げ試験は外径50mm以下の管、扁平試験は50mmを超える管については適用し、いずれも管の壁に傷,割れを生じてはならない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 5) 一般構造物用角形鋼管 JIS G 3466
   鋼材記号をSTKRで示し、土木・建築そのほか構造用に使用する角形鋼管について規定する。
 これは、鋼管を角形に成形するか、鋼板を角形断面または一対の溝形断面に成形し、連続的に溶接して製造する。原則として熱処理を施さず、製造のままとする。鋼材の化学成分は一般構造用角形鋼管の化学成分(JIS G 3466-2005),機械的性質は一般構造用角形鋼管の機械的性質(JIS G 3466)に示す。
 
 
 
 
 
 使用鋼材の種別は、メーカー発行の鋼材規格証明書によって確認する。書類による確認ができない場合は、引張試験および化学成分分析を行い、所定の品質を確認する。SS 400とSM 490の2種を判別する場合、市販の鋼材判別器を使用すれば非破壊試験で確認することが可能である。ただし、SS 400,SM 490以外の鋼材が混入してもこれを区別できないので、その使用は限定される。