平均断面法による数量計算
 平均断面法による数量の計算を以下に説明します。
A B C D E F G H
1 測 点 単距離 断 面 平均断面 立 積
2 No.0 0.000 20.0
3 No.1 20.000 30.0 @ 25.00 C 500.0
4 No.2 20.000 40.0 A 35.00 D 700.0
5 No.3 20.000 20.0 B 30.00 E 600.0
6 F1800.0
←計算ゾーン
@ =ROUND((C2+C3)/2,2) 解説: No.0の断面積とNo.1の断面積の平均
A =ROUND((C3+C4)/2,2) 解説: No.1の断面積とNo.2の断面積の平均
B =ROUND((C4+C5)/2,2) 解説: No.2の断面積とNo.3の断面積の平均
@〜Bまで
※小数点2位以下の数値は四捨五入
C =ROUND(B3*D3,1) 解説: No.0〜No.1の区間の立積算出
D =ROUND(B4*D4,1) 解説: No.1〜No.2の区間の立積算出
E =ROUND(B5*D5,1) 解説: No.2〜No.3の区間の立積算出
C〜Eまで
※小数点1位以下の数値は四捨五入
F =SUM(E3:E5) 解説: 立積の合計算出
関数の補足説明
    SUM:指定した範囲の数値の合計の算出。
文法/書式
SUM(◎:○)
◎:合計する範囲のセルの始点
○:合計する範囲のせるの終点
※ひとことコメント(その@)
  小数点表示について
 通常土工などの数量については小数点1位で計算する様に表示させますが、コンクリートなど構
造物の数量を求める時は、小数点2位で計算する様に算出します。計算例については以下に例を
示します。
計算例)
A B C D E F G H
1 測 点 単距離 断 面 平均断面 立 積
2 No.0 0.000 12.50
3 No.1 20.000 13.25 @ 12.875 C 257.50
4 No.2 20.000 12.55 A 12.900 D 258.00
5 No.3 20.000 12.34 B 12.445 E 248.90
6 F 764.40
←計算ゾーン
@ =ROUND((C2+C3)/2,3) 解説: No.0の断面積とNo.1の断面積の平均
A =ROUND((C3+C4)/2,3) 解説: No.1の断面積とNo.2の断面積の平均
B =ROUND((C4+C5)/2,3) 解説: No.2の断面積とNo.3の断面積の平均
@〜Bまで
※小数点3位以下の数値は四捨五入
C =ROUND(B3*D3,2) 解説: No.0〜No.1の区間の立積算出
D =ROUND(B4*D4,2) 解説: No.1〜No.2の区間の立積算出
E =ROUND(B5*D5,2) 解説: No.2〜No.3の区間の立積算出
C〜Eまで
※小数点2位以下の数値は四捨五入
F =SUM(E3:E5) 解説: 立積の合計算出
※ひとことコメント(そのA)
  平均距離法って何だ?
 通常数量については平均断面法で求めるのが通常ですが、農林規格では、平均距離法という
方法で数量を求めます。
 計算内容については、以下に説明します。
計算例)
A B C D E F G H
1 測 点 単距離 平均距離 断 面 立 積
2 No.0 0.000 @10.000 12.4 D 124.0
3 No.1 20.000 A20.000 15.5 E 310.0
4 No.2 20.000 B20.000 16.2 F 324.0
5 No.3 20.000 C10.000 13.4 G 134.0
6 H 768.0
←計算ゾーン
@ =ROUND(B3/2,3) 解説: No.0〜No.1の単距離の平均
A =ROUND((B3+B4)/2,3) 解説: No.0〜No.1,No.1〜No.2の単距離の平均
B =ROUND((B4+B5)/2,3) 解説: No.1〜No.2,No.2〜No.3の単距離の平均
C =ROUND(B5/2,3) 解説: No.2〜No.3の単距離の平均
@〜Cまで
※小数点3位以下の数値は四捨五入
D =ROUND(C2*D2,1) 解説: 平均距離×断面=立積の算出
E =ROUND(C3*D3,1) 解説: 平均距離×断面=立積の算出
F =ROUND(C4*D4,1) 解説: 平均距離×断面=立積の算出
G =ROUND(C5*D5,1) 解説: 平均距離×断面=立積の算出
D〜Gまで
※小数点1位以下の数値は四捨五入
H =SUM(E2:E5) 解説: 立積の合計算出
※平均断面法と平均距離法の違いって何だ?
 通常建設省(現・国土交通省)や各自治体での数量計算は、通常平均断面法により算出しますが、
農林省などの規格では、通常平均距離法を使って数量を算出します。この違いについては、管轄す
る最終的な省庁が違うって事が一番の原因の様に思われます。
 もしも、最初から管轄する省庁が統一されていたら、こんな違いなんてものは存在しなかったので
はないでしょうか。これも、日本のタテ割り社会の象徴の一つかも知れませんね。
※ひとことコメント(そのB)
  何故、各計算にROUNDなんか使うのか?
 通常Excelの表示機能には、小数点表示指定により、自動的に四捨五入して表示される様になっ
ています。それならば、何故各計算にROUNDなど面倒くさい処理をする必要があるのか?という事
になるのですが、その秘密は合計(SUM)の処理を行った時にその問題が発生するのです。
 ROUNDを使わない時と使った時の比較例を以下に示すと、
A B C D E F G H
1 測 点 単距離 断 面 平均断面 立 積 @ 立 積 A
2 No.0 0.000 21.3
3 No.1 13.253 21.2 21.25 281.6 281.6
4 No.2 12.557 21.3 21.25 266.8 266.8
5 No.3 13.221 19.7 20.50 271.0 271.0
6 819.5 819.4
立積@ はROUNDを使わなかった場合。
立積A はROUNDを使った場合。
 以上の様に、表示上の四捨五入をExcelの機能で行っても、実際の数値は、表示以下の小数点
については四捨五入をされている訳ではないので、数値の合計を行った際に、誤差が生じる結果
となってしまいます。そのため、数値の総計などを行う場合は、多少面倒くさい感は否めないので
すが、ROUND(四捨五入)や、ROUNDUP(切上げ)、ROUNDDOWN(切捨て)を各計算毎に処理
する必要が生じてくるのです。