観測角のラジアン変換2
 観測角の角度を、度分秒の単位からラジアンへ変換する計算式の内容を以下に説明します。
(角度を小数点入力した場合)
A B C D E F G H I J K L M
1
2 観測角 観測角分解 観測角調整 角度変換 rad
3 178.3200 178 - 31 - 100 178 - 32 - 0 178.5333 3.115994
4
5 @ A B C D E F G
6
←計算ゾーン
各番号内のセルの計算式
@ =ROUNDDOWN(A3,0) 解説: 178°を分離して表示します。
A =ROUNDDOWN((A3-B3)*100,0)
解説: 32’を分離して表示します。
B =ROUNDDOWN(((A3-B3)*100-D3)*100,0)
解説: 00”を分離して表示します。
C =B3 解説: 178°を表示します。
D =IF(F3>60,D3+1,D3) 解説: 32’を角度調整して正確な値を表示します。
(F3が60”以上の表示なら’の値を+1する)
E =IF(F3>60,0,F3) 解説: 00”を角度調整して正確な値を表示します。
(F3が60”以上の表示なら’の値を0にする)
F  =(G3*3600+I3*60+K3)/3600
解説: 角度を小数点の形に変換する。
G =L3*PI()/180 解説: Fで求めた数値をラジアンに変換します。
関数の補足説明
    ROUNDDOWN:指定した桁数を切り下げして返します。
文法/書式
ROUNDDOWN(◎,○)
◎:切り捨てを行う実数
○:切り捨てを行う数値の桁数
※ひとことコメント(その@)
   角度の小数点入力は可能か?
 よく、市販の測量ソフトでは、角度入力を小数点入力をしたりするのですが、Excelにおいても
そういう機能を持たす事は十分に可能です。ただし、あくまでも小数点入力は,あくまでも最初の
段階では、小数点の数値でしかありませんので、上で示した様に小数点を分離して度,分,秒の
形に分離する必要が生じてくる訳です。
※ひとことコメント(そのA)
   何故角度調整が必要になるのか?
 小数点入力をした観測角は、通常以下の様に正常に分離されるのですが、
A B C D E F G H I J K L M
1
2 観測角 観測角分解 観測角調整 角度変換 rad
3 132.1235 132 - 12 - 35 132 - 12 - 35 132.2097 2.307495
4 145.2500 145 - 25 - 0 145 - 25 - 0 145.4167 2.538000
5
最初に説明した形の様に、分の角度が32’などちょうどになる時に限って分解した時、秒単位が
100と表示される時もある。(以下参照)
A B C D E F G H I J K L M
1
2 観測角 観測角分解 観測角調整 角度変換 rad
3 155.2200 155 - 21 - 100 155 - 22 - 0 155.3667 2.711660
4 43.1500 43 - 14 - 100 43 - 15 - 0 43.2500 0.754855
5 229.1600 229 - 15 - 100 229 - 16 - 0 229.2667 4.001458
6
原因は、Excelがもともと持つバグの一種ではないかと思われるので、計算式のみでは解決出来
ないので、角度を調整をして解決する方法をとりました。
※バグと上手に付き合う?
 コンピュータは、完璧の様によく考えられがちなのですが、どのプログラムにも、どのハードにも
固有のバグが案外存在したりするものです。
 通常、プログラムにより表面上には現れない様に対処したりするものですが、まれに表面上に出
て来る事もあります。(案外プログラムには、バグが作った意外な隠しコマンドとかもあったりするも
のですが)その時には、原始的かも知れませんが、対処療法によって修整する事も可能なもので
す。余談ですが、一種のいたちごっこの様な面もありますね。しかし、表に出ないだけでプログラ
ムの内容って実は様々な対処療法があったりするものです。(昔ソフト開発の仕事をしていた頃の
経験談なのですが)
 Excelのワークシート作りも一種のソフト開発に近い面もあるので、時にはこういうプログラマーや
SEに必要とされるテクニックを要求される事もあります。
 しかし、慣れると一種の”おたく”的な面白さがあるのかも知れませんね。