詩集3

 地元の新聞等に投稿した真面目系の詩集です。(その2) 1999・10〜

タイトル 発表年 発表先 備考
ふたつの顔 2004.03.08 未発表作 (New)
絶望の花 2004.03.07 未発表作 (New)
風を感じて・・・ 2004.03.07 未発表作 (New)
神様の位置 2003.10.13 未発表作  
前進 2003.06.25 未発表作  
生きている 2003.06.16 未発表作  
きつねとたぬきいまむかし 2000.1月 ぶんりき・金の詩コンテスト 二次予選通過
エデンの果実 2003.06.03 未発表作  



ふたつの顔(2004.03.08)

鏡の僕は笑っている
けど本当の僕は笑っていない
僕じゃない僕が
世間体だけを取り繕う為に
マテリアルな笑顔を作り出す

悲しみを感じても
憎しみを感じても
とりあえずわらっとこう
そうすると表面上は上手くいくから

そんな人生の年輪がなせる裏技で
今日の時間を切り抜けている

けど本当は
この仮面の裏側を
分かってくれる人でもいないかな〜なんて
今日も僕は鏡の前でもう一つの顔を作り出し
一日の扉を叩こうとする

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絶望の花(2004.03.07)

人間は究極の絶望を感じた時に
見える最後の希望があるという
ボクはそれを絶望の花と名付けている
けどボクの今は絶望の花がみえない

そうでなれば今のボクは幸せなのだろうか?
そうでもない様な気がする

心の奥底から大切に思う人
将来への不安
現在のあせりにも似たジレンマ
未来への不安で押しつぶされそうになって
眠れない日々を重ねても
胃カメラを飲む程ストレスで
自分の肉体をストレスで傷付けても
希望の花は見えない

今のボクには絶望がまだ足りないのだろうか
だったら神様ボクにもっともっと絶望を下さい
もっともっと絶望になって
絶望の花を見て幸せになりたい

そう思っちゃいけませんか?
そんなに考えちゃいけませんか?
神様・・・

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風を感じて・・・(2004.03.07)

風の匂いが変わってきた
またひとつの季節が終わり
またひとつの季節が始まる

時間という年輪を重ねながら
ボクはどれだけ成長出来たのだろうか

醜い現実を体に刻み
ボクは素直じゃない人間になってないだろうか
厳しい世間の海に揉まれ
ボクは疑いをもった人間になってないだろうか

もっともっとピュアだった頃のボクでは
もういないのではないだろうか
そう考えると
もっと時間の中に一人ぼっちになってみたい
ボクがココにいたりもする

もっと新しい風を吸って
ボクはボクらしいボクになろう
楽しい気持ちや
おもちゃばこの心を
体の中にいっぱいいっぱい詰め込んで・・・

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神様の位置(2003.10.13)

捨てる神様もいれば
拾う神様もいるはずよね
けどボクはいつも捨てられっぱなし
無駄な努力をして
あらぬ疑いを受けて
恨まれたり
憎まれたり

本当はみんなが笑えばいいと思っていたんだけど
どうして結局空回りになって
ボク自身を傷付けてる

ボクって生きている価値のない人間なのかな
だからこんな思いを積み重ねるのかな
だったら不慮の事故でもで殺してくれればいいのに
何も苦しまないで
何も考える事なく
けど何処かには
こんなボクでも拾ってくれる神様もいるのかな
生きているってなんだろう
そんな思いがボクな中に大きな錘となってのしかかる
今は先の事を考えると自分に負けそうになるので
考えるのはよそう
目の前にある事だけにひたむきになろう

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前進(2003.06.25)

今は何も答えが見つからなくても
少しでも微妙でも
前進しなくちゃ
前に進まないと
結局何も始まらない
俺は大丈夫か
俺は大丈夫だよね
そんな俺自身と対話しながら
進んでいこう

いつになるか分からない
俺だけのアンサーを求めて

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生きている(2003.06.16)

何故生きているのだろう
何故生きているのだろう
この僕は生きるに値する存在なのか

けど生きている
僕は生きている
いつも絶望の檻の中に閉じ込められながら
生きている
生きている

未来は何処にあるんだ
僕の未来は何処にあるんだ
明日の分からないこんな思い
ひきずりながら生きるくらいなら
今すぐ死んでもいいのに
神様に裏切られて殺されてもいいのに

それなのに僕は
何故生かされているんだ
冷たい目の中で孤独の底にいても
僕は何故生きているんだ

タスケテ・・・タスケテ・・・
心が叫んでいる
ボクヲココカラダシテクレ・・・
ボクヲココカラダシテクレ・・・
僕の中のもう一つの細胞が
僕を破壊しようとしている

けど僕は生きている
生きている
生きている
生きている
生きている

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きつねとたぬきいまむかし(2000.1月)

きつねとたぬき    いまむかし

むかしのきつねは  ひっそりと
峠の小屋に      棲みました
そして夜な夜な    峠道
通る旅人        誘っては
財布をかすめ     盗りました
時には二枚目     源さんに
サービスしたり     してたとさ

昔のたぬきは     山奥の
地蔵の裏に      隠れては
夜な夜な通る     むすめごを
てごめにしたり     してたとさ
時には子宝      恵まれぬ
夫婦に子宝      授けたとさ

今のきつねは     暗闇の
都会の中に      棲んでます
恐いニーチャン    隠し持ち
男を誘惑        しています
はたまた魅力     売り物に
アッシーメッシー    ミツグくん
便利なペット      飼ってます
時にはニヒルな    ダンディーに
嘘のゴロニャン     してたのさ

今のたぬきも     暗闇の
中に好んで      棲んでます
お水ね〜ちゃん   お見送り
あとはパチンコ    やってます
中には知的に    進化して
母性本能       くすぐって
結婚詐欺を      しています
時には精子      貯金して
子孫繁栄       してたのさ

時代の変化に    従って
きつねとたぬきも  進化する
けれどやっぱり   こいつらは
まっくら闇が     好きらしい
心の闇が       好きらしい
そしてお金が    好きらしい

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エデンの果実(2003.06.03)

君がイヴだった頃
僕は一匹の小さな蛇だった
けど僕には君は遠い存在で
いつも君は神様のオーラに包まれ
僕はいつも遠くで眺めるしかなかったんだ

だから僕は君を堕落させて
僕の存在に近づけるために
君にエデンの果実をすすめた
そこまでは僕の計画通りだったんだ

けどどうして君は
アダムまで誘ったの?
アダムがいたら僕は
君に近づけないじゃないか!

だから僕は今度は悪魔のお願いして
一つの毒を手に入れた
アダムを殺す毒の刃を

そして僕はアダムに毒の刃を向け
アダムを葬り去った
そしてイヴを手に入れるはずだった
そうすればイヴは
僕を見てくれると思ったんだ
けどイヴの心は僕には向かなかった
そして君はこの僕を
決して許そうとはしなかった

そして時は流れ新世紀
イヴだった君は
メデューサとなって生まれ変わり
今日も僕をその見抜いた様な目で
僕の心を石に変え
僕を君の瞳の亜空間の牢に閉じ込めて
この僕を責め続ける
アダムを奪ったこの僕に
復讐でもするかのように

そして夜になると君の長い黒髪は
生き物のように
もののけのように
僕に絡みつき
蛇だった頃の僕の記憶を
思い出させようとする

だから僕は
空想で
夢の中で
エデンの果実をさがす旅に出かける
もし僕はイヴに与えた
エデンの果実を見つけ
神様に返す事が出来たら
君にかかったメデューサの魔法が解け
君の瞳の檻から
僕を解放してくれるかもしれない

しかしエデンの果実は見つからない
手掛かりも見つからない
だから僕はカッコつけつ事なんてやめて
自分に正直になる事にしたんだ

こめんね
僕はやっぱり蛇だった
君には似合わない蛇だった
君がどんなにこの僕を責めてみても
僕は君好みのアダムにはなれそうにない

君には本当のアダムがいるよ
だからもう僕を君の操作がしやすい
僕に変えようとして
僕に責めるんじゃなくて
本当のアダムをさがしなよ
僕はもう一度蛇だった頃の僕に戻って
地道に生きる事にするよ
だから・・・
サヨナラ

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