石立山


登山日:2004年6月12日

登った山
石立山 高知県・徳島県 1708m


コースタイム: 別府峡登山口 8:45 → 12:15 石立山山頂 12:35 → 15:50 別府峡登山口

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ちょっとだけコメント
  石立山は、高知と徳島の県境に位置する山です。よくガイドとかに四国の山でもっともキツイ山の一つ・・・とか書かれているのですが、その言葉は伊達ではなく、初心者はまず行かない方がいいだろうと思われる山です。コースも1200m以上きっちり直登りに近い形で登らされるし、危険なので、下りも慎重になるので、登りと同じ位の時間はかかります。山慣れた人でもこの山に限っては初めて登る時は一人で行かない方が無難だと思います。ちなみに自分は一人で山歩きする事の方が多い人なのですが、今回は山好きな知人と計3人で登りました。

※石立山へ初めて登ろうと考えている人へ・・・

下山後の少し無残な姿・・・(特にズボンの方注目)
結構危険なトコは腰も使って5点支持位で下ったりもするので、ぼろぼろに汚れます。この山は四国で一番侮れない山なので、どうしてこうなるかを想像して、ある意味覚悟してから計画を立てて下さい。ちなみにヤバイと思ったら勇気を持って引き返して下さい。この山はそんな箇所がルートの6〜7割位を占めています。

※ちなみに左の白Tシャツに帽子をかぶっている方がくじらさんです。(^^;)
コラム1:3つのお約束
登る時次のお約束を守って登山して下さい。
・初心者はそれなりに経験を積んでからか、かなりの経験者と一緒に登って下さい。
・山慣れた人でもこの山域に初めて入る人は一人で行かない方が無難です。
・体力に自信がなくなったり、高度感に不安を感じたら勇気を持って引き返して下さい。

 これは決しておどしではありません。よく雑誌とかに四国で最もキツイ山の一つとか書かれていますが、その言葉は嘘ではなかったな〜というのがこの山に登った時の感想です。それと、四国にもこんな山があったんだ〜と思った事です。
 割合四国の山は、登りがあると、途中水平な道が続いて・・・とか緩斜面的な箇所があったりするのですが、3時間半ほぼきっちり登らされるし、俗に言う3点確保が必要になる山でもあるし、今回は一人ではなかったので、
『ルートここでね〜?』
って一瞬退いてしまう様な場所でも会話しながら登ったりしたのですが、一人ならまず引き返しているな〜なんて思った箇所が数箇所あった事も事実です。ただ、下りきって別府峡の登山口に着いた時、久々に登ったな〜と思った山でした。

今回は別府峡のルートを使いましたが、この山は他にも2ルート位あるので、そちらの方はもっと楽なのかどうなのかは自分は行った事がないので分かりません。その点は他のHPなり本なりを参考にしてみて下さい。(今度他のルートを登る機会があったら?書きたいとは思いますが)
別府峡から石立山方向を望む

山はこの見える一番高い山から奥の方に登っていく事になります
ルートのポイント
※結構今回のルートは、危険な感じかな〜と感じたので、今度この山を登る参考等の為にポイントなどを書いてみます。
@登山口〜龍頭谷まで
  登山口の赤い吊橋を渡るといきなりびっくりする程の急勾配の山道の連続が続きます。この区間は登りの時はそれほど危険な感覚はないのですが、下りの時は急勾配の傾斜がそのまま目に飛び込んでくるのと山を相当あるいた疲労がこの下りには結構こたえるのと、割合落ち葉とかがあって足元が滑りやすいので注意して下って下さい。(道を外れてこけたりしたらたぶん100%の確立で死にます)急勾配が終わると、水平な道があってここはワイヤーロープの柵が設置されていますが、所々落石で破壊されていたりする箇所もあります。ワイヤーロープの区間が終わる箇所から10〜20m位ザレ場になっていて、ここは何度か小崩壊をした形跡があり、道も不安定な感じなので、少し緊張する箇所です。ココを過ぎると、少し安定した箇所とその後、安定はしているけど、足を置ける幅が狭い箇所が続き、そしてまた登りになります。この区間は勾配はきつくても、割合に安心して行ける箇所です。そこから山の中・・・という道を過ぎると龍頭谷に下る道になります。ここは右手が落ちていますが、さほど危険に感じるという箇所でもなく、龍頭谷まで下る事が出来ます。
A龍頭谷〜分岐点まで
  龍頭谷を通過するといきなりザレた急勾配を登る事になります。ここは足をのせても足元がぐずぐずと動いて非常にいや〜な箇所なので、山寄りに手をつきながら登るとか、下りの時、危険を感じたら、腰をついて出来るだけ摩擦抵抗を増やして通過する方が無難な箇所です。そこを越えると今度は石灰岩のほぼ直登りに近い急勾配がやってきます。ここは木の根や岩の角などを3点支持を基本にゆっくり通過して下さい。登山道と言っても、四国ではポピュラーな山ではないので、浮石や不安定な木の根,枝も多く、手や足を掛ける時、安定しているかを確認してから確実に登り降りして下さい。(下にある写真がその付近の上部から下の方を写したものです)そこと越えると少し安心して通過出来る箇所があり、そこから少しまた3点確保の登りが待っていますが、森の中であるというのと、最初の登りに比べるともう少し規模が小さいので、最初の登りを通過した人には難なく通過出来ると思います。そこを過ぎて登ると第1のナイフエッジの尾根にさしかかります。一瞬飛び出してくる尖った岩尾根は思わず『え〜!』と思う箇所ですが、テープを貼られている箇所を見落とさずに右側を通過します。(割合脆い場所なので、将来同じ箇所を通過するとは限らないかもしれないので、テープと経験値で通過して下さい)そこから危険なトラバース区間が連続します。特に危険を感じるのが最初の視界が開けて白い岩が飛び出してくる区間と最後の大きな木の根が半分道を遮っている区間(ここは手と足の置き場所を何処にしようか・・・と戸惑うとこでもあるので、慎重に通過して下さい)が一番注意を払う箇所で、それ以外も普通の登山道では考えられない岩のトラバースが続きます。
  最後の木の根のトラバースを通過すると、急勾配の山道が続き、途中から6月なら地球上ここにしか存在しないイシタテクサタチバナ、8月以降なら、テンニンソウやトリカブトのお花畑(森の中にありますが)があり、そこからスズタケのある登りなどを通過すると、捨身ヶ獄と山頂との分岐点にさしかかります。(この間は約2時間半その区間の半分以上は身の危険を感じる区間が連続します)
B分岐点〜山頂まで
  分岐点から山頂までは少し山を降りて登って約30分弱位の工程なのですが、途中から背丈ほどのササに覆われていて、半ばササを泳ぐ様に進む道になります。道はかろうじてあるかないかの感じですが、すぐに迷う様な感じの道でヤブこぎに近く、距離の割には遠く感じさせる区間です。(ちなみにヤブこぎ以外は危険箇所という感じではありません)
  山頂はそれなりの広場になっていますが、その回りにササで覆われていて、山頂らしい展望というのは全くゼロで苦労して登った割にがっかりする感じです。景色は、自分は行かなかったので確認はしてないですが、絶壁になっている捨身ヶ嶽の部分と途中のナイフエッジになっている区域の景色の展望が開けています。(ナイフエッジの部分は景色を楽しむ余裕はないかもしれませんが・・・(^^;))
石灰岩の登山道

写真で見た目には急さが分かりにくいのですが、岩とか木の根の安定を確保してしか登る事の出来ない箇所です。
コラム2:記憶は薄れる?
  今回の山行は3人で登ったのですが、その中の一人が過去に一度登った事があるという事と、
『少し怖いとこはあったけど、大丈夫ですよ〜』
・・・という言葉で本ほどの事もないのかな〜なんて行ったものの、実際は怖いやんか!みたいなトコが相当あって、最初に聞いた時とかなり〜のギャップがあった様に感じました。確かに記憶に残ってた・・・というトコはルートの中でも1,2を争う危険なトコでそれ以外は記憶から消えてしまうもんかな〜なんてのも感じました。現に自分も行きにえ〜と思ったトコ意外は危険な箇所でも案外帰りにこんなトコあったっけ?なんて思った箇所もありましたし・・・(そこが決して安全という訳ではないのですが)あと、スズタケが見えてきて、
『そろそろ分岐点近いですよ・・・』
なんてその話を聞いて、少し行くと看板の下に小さいメモみたいな字で(あと1時間半)と書いてあるのを見てすこしガクッときてみたり・・・案外人の記憶ってアテになんないもんだな〜なんた思ったりもしました。(結構笑い話になるね〜なんて盛り上がったので、そのネタを書いてみました→記憶が薄れないうちに(^0^;))
石立山の岩尾根

木が生えて写真では恐ろしさは伝わりにくいですが、両側に切れ落ちたている箇所が連続します。

※特に一瞬『え〜ここ行くの?』と引いてしまう箇所が2箇所あります。
分岐点付近から見る捨身ヶ嶽

この山では有名なハイライトの一つですが、(両側が切り立って絶壁で絶景・・・という場所で)

今回は見ただけで、近くまでは行きませんでした。
石立山山頂(1708m)
今回出会った花
ヤマツツジ マンネングサの仲間? ハンジョウズル
世界でもココにしか生えてないと言われている(現在石立山以外では発見されていない)イシタテクサタチバナの花
コラム3:天界の花を見に・・・
  この山は険しいのと同時にこの山が石灰岩で出来た特異な山という事もあって希少植物の宝庫となっているみたいです。特にイシタテクサタチバナは地球上でこの場所にしか存在しない・・・という植物などもあり、今回の山行は景色はあまりガイドを見ても望めないみたいだし、せっかく登るなら珍しいモノを見に・・・みたいな事で、イシタテクサタチバナの咲くというこの時期を狙って登ってみました。
  花はちょうど満開で、ここだけにしかない花の群生&満開・・・というのを見ると少し感動ものでした。ちなみにこの花危険地帯を全て登りきった上にしか存在しません。
シタテクサタチバナ(満開状態を違う角度で撮影)